炎症

炎症


組織の有害刺激による局所性反応。疼痛、発熱、発赤、腫脹が炎症の4徴候だが、疼痛により機能障害も伴うこともある。

 

 

原因


①繰り返す運動、外力などの機械的、物理的刺激によるもの

野球肘(離断性骨軟骨炎)、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)など。

基本的に使い過ぎよって起こる為、スポーツを一時的に中止し症状が治まるまでは安静にします。また、筋力強化、ストレッチ、ステロイド薬の注射、テーピングやサポーターの装着なども症状の軽減になります。

多くの方が治りきる前に運動を再開するので、年余に渡って症状が続きます。(完治していなくてもそれなりに使えてしまう為と思われる。)また、少年期の野球肘は変形性肘関節症に移行してしまう場合もあるので、無理をさせず治療に専念した方が良いです。

 

②化学物質によるもの
高脂血症薬(プラバスタチン、ベザフィブラート)、抗生物質(ニューキノロン系)で稀に横紋融解の副作用がみられることがあります。
「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」
「手足がしびれる」
「手足に力がはいらない」
「こわばる」
「全身がだるい」
「尿の色が赤褐色になる」などの症状が出た人は一旦薬を止めて医師、薬剤師に相談。
高齢、腎機能低下や糖尿病の人は発症しやすい傾向にあるため注意が必要です。
③細菌感染などの生物的侵略によるもの

結核(結核菌)や梅毒(梅毒トレポネーマ)による筋炎もみられるが近年ではほぼなくなっています。細菌に対する治療には抗生物質を使います。

また、風邪(9割がウィルス)やインフルエンザの時に筋肉や関節が痛くなる事があるが、これは感染に際し白血球がサイトカインという生物活性をもった物質を放出しているためと考えられている。

 

④自己免疫機序によるもの(膠原病)

リウマチ、強皮症、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、など。

通常、免疫は身体にとって害になる物質(ウィルスや細菌など)を攻撃して身体を守ってくれますが、自己免疫疾患の場合は身体を守るはずの免疫が、自分の身体を敵だと認識してしまい攻撃するので皮膚、筋肉、関節などに炎症が起こります。膠原病は原因不明な事がほとんどですが、治療には炎症と免疫を抑える為にステロイド薬を使い、適度に運動をしたり、身体や、特に関節を冷やさない事が大切になります。

 


 

慢性化した筋肉や筋膜の痛みの多くは発赤や発熱を伴わず、むしろ患部が低温になっている場合があるので、鍼やマッサージなどで血流を促す事で症状が改善します。また疼痛、発熱、発赤、腫脹がある急性期の段階では自分でマッサージなどはせずRICE処置が基本になります。

細菌感染や自己免疫疾患に伴う炎症がある場合は、まず病院に行き抗生物質やステロイドなどの消炎薬を処方してもらいます。