ギックリ腰

海外では魔女の一撃とも呼ばれ、いきなり腰部に痛みが走り、酷い時は動く事もままならないほど痛みが出る事こともあります。
原因は色々あり、筋肉によるもの、関節や椎間板によるもの、骨や腫瘍によって痛みが出ているものなど様々です。
急な腰痛があっても全てがぎっくり腰とは限りません。
・安静時痛、夜間の痛み(細菌感染、癌など)
・発熱(細菌感染など)
・背骨の殴打痛(骨折など)
・原因不明な体重減少(癌など)
・排尿障害(馬尾症候群など)

 

上記の症状がある方は所謂ぎっくり腰(筋肉や椎間関節の捻挫)が原因の痛みではなく、他に原因がある可能性が高いです。放っておくと症状が悪化するものばかりなので、早期に医療機関への受診が必要です。他にも一か月以上痛みが変わらない場合など治療院に通ってる場合でも一度病院で検査してもらうのがよいでしょう。

 

やってしまったばかり、2~3日(なるべく無理をせず大人しくしている期間)

この時期は腰が痛いからといって安易にマッサージなどをされると悪化する可能性があるので、接骨院や治療院にいくのが望ましいです。もし、リラクゼーションや個人でマッサージをされるのならば患部(炎症を起こしている腰の部分)は触らずに、背中や臀部をマッサージしてもらうのが良いでしょう。

 

ご自身で身体を動かしてみると痛みが強く出る動きがわかると思います。最初の痛みが強烈なので動かすことに抵抗があると思いますが、前、後ろ、左右に倒す、左右に身体を捻るなどの動作をゆっくりと行い痛みが出る動きを確認してみてください。基本的に急性期では痛みが出る動作をしないようにするので、痛みが出る動きがわかったらその動きをなるべくしないよう生活しましょう。コルセットなどを用いて動きを制限するのも良いと思います。(寝るときはコルセットを外してください。)

この時期のお風呂は患部が温まると炎症が酷くなる場合があるのでシャワーなどにして済ましてしまう方が安心だと思います。

横向きが腰の筋肉が緩みやすいので夜寝るときは横向きがお勧めです。横向きで痛みが出る人は他の上向きでも構いませんが、うつ伏せで腰が常に反っている様な状態はお勧めしません。うつ伏せで寝るのならば顔の枕を外してお腹から骨盤あたりに入れてあげると腰が緩んで痛みも減ると思います。


 

痛みが落ち着いてきたら(血流を良くして治りを早める時期)

患部の炎症が治まり、痛みが少なくなってきてある程度動けるようになってきたら今度は急性期の時とは違い身体を動かしていきます。痛みは残っていてもやったばかりの時に比べ動ける範囲が広くなってきていると思うので多少痛みが出ても怖がらずに身体を動かしていくのが大事になります。軽くストレッチを始めたり、家の周りを散歩するなど活動範囲を広げていきます。(この時、まだ最初の時と変わらない痛みが出ている場合は医療機関で検査してもらうか、治療院などで一度治療してもらう方が良いです。)

この時期はコルセットを装着する時間も短くしていきます。コルセットを付けていると身体が安定して動かしやすいのですが、あまりコルセットに頼っていると依存してしまいコルセットがないと不安になってしまう事もあります。正常な身体にコルセットは必要ないので長時間身体を使う時以外はコルセットを外すよう意識した方が良いでしょう。

 

 


基本的にぎっくり腰は初めの痛みが強く深刻な印象を受けますが放っておいても時間と共に良くなってくる疾患です。

ぎっくり腰をやってしまったな、と思ったらそこで活動を止めて身体の状態を確認してみましょう。痛みが強い場合はその日は仕事も早めに切り上げた方が良いでしょう。痛みがあまり強くなく、動ける場合でも我慢して動くことで徐々に痛みが強くなり次の日には動けなくなるパターンもあります。治療をしていても徐々に痛みが強くなっていくパターンのぎっくり腰の方が治りが悪いです。多かれ少なかれ急にくる痛みは身体を動かさない為に出ている痛みなのでその日は無理をせず様子を見て下さい。(慢性期の痛みは反復する動きを避けリハビリなどで動かした方が治りは早くなります。)