慢性頭痛について

慢性頭痛と呼ばれるものには、筋肉の緊張が原因の緊張型頭痛、血管が広がることにより痛む片頭痛、原因不明の群発性頭痛などがあります。

頭痛でお悩みの方で治療院にお越しになる方はたいてい緊張型頭痛の方が多いですが、片頭痛の方もそれなりにいます。特に女性に多いです。中には緊張型と片頭痛両方の症状を持っている方もいます。

緊張型頭痛

締め付けられるような鈍痛が長い期間続く事が特徴です。場所は頭の後ろ側に起こる事が多いようですが、側頭部や前頭部が痛む方もみられます。原因は慢性の筋収縮により血流が悪くなることによって起きます。デスクワークなどで、同じ姿勢を続けている方は、緊張型頭痛になりやすいです。痛みは我慢できる程度の場合が多いので、あまりにも痛みが強い場合は一度医療機関を受診された方が良いと思います。

 

片頭痛

ズキンズキンと痛む拍動性の頭痛が周期的に起こる事が特徴です。嘔吐などを伴う場合があります。何らかの誘因により脳血管の収縮→拡張→三叉神経を刺激することにより痛みが出るといわれていますがまだはっきりとしたことは分かっていないようです。片頭痛は緊張型頭痛と違い痛みが強く、生活に支障をきたす場合が多いです。

 

予防・対処法


緊張型頭痛の場合

筋肉の緊張から血流が悪くなり痛みが出るので、筋肉の緊張をほぐしてやり血流を良くすることが、緊張型頭痛に対する予防になります。一番の問題は仕事などで同じ姿勢を長時間されている方です。仕事に集中している時は多少違和感があってもあまり気にせず仕事を続けれますが、それが続くと症状も重くなり集中力もなくなってきます。これを繰り返す事で症状が慢性化していき、緊張型頭痛になっていきます。

 

①長時間同じ姿勢を行うときは、間に休憩を挟み定期的に身体の緊張をほぐしてあげます。
②温める事で筋肉の緊張が緩みます。ホットアイマスクなどで直接目を温めるか、頸肩を温める方法も良いです。
③姿勢を意識します。猫背や顎が上がった状態では身体にかかる負担も違ってくるので正しい姿勢を心掛けます。

 

④筋肉をつけます。筋肉をつける事で負荷に対する許容範囲が増えます。女性など身体が細い方は疲労も増えるのでジムなどで身体を鍛えるのも大事です。
⑤病院や薬局で血流を良くする薬や痛み止め(ロキソニン等)、漢方薬、治療院で鍼灸、マッサージを試してみるのもお勧めです。

 


片頭痛の場合

緊張型頭痛と違い身体的なストレスよりも精神的なストレスが原因になることが多いようです。環境の変化や食べたもの、ホルモンバランスが崩れたりすることで片頭痛が起こるので、生活習慣や生活環境を改善させるようにします。

 

①頭痛を誘発する食事があるので食べるものを制限します。有名なものは赤ワイン、チーズ、チョコレートなどがあります。好きなものがあればまったく食べないのはつらいので、どれぐらいの量、頻度で食べると頭痛が誘発されるか試しながら調節すると良いでしょう。
②片頭痛発作時は身体が周りの反応に対して過敏になり、普段なら平気な動きや、光、音によって増悪します。発作時は静かな暗い部屋で頭部を冷やしながら、他からの刺激を極力避けながら安静にするのが良いでしょう。
③緊張型頭痛と違い片頭痛は血管の拡張が痛みに関わっていると言われているので発作時には冷えぴたなど貼って血管を収縮させましょう。※片頭痛持ちの方でも発作時以外は温めてあげる方が良いでしょう。

 

④トリプタン系薬剤などを処方してもらいます。使用のタイミングは発作が起こってから軽度のうちに使います。前兆期や症状が酷くなってから使うと効果が弱くなるようです。妊娠中、授乳中のお子さんがいる方はお医者さんと相談して下さい。

 

 


妊娠中や授乳期間のお子さんがいる方、また常用して頭痛薬を服用している方(薬物乱用頭痛の方)にも薬のような副作用に悩ませられることが無いのでマッサージや鍼灸治療はお勧めします。