ストレッチの使い分け

身体の筋肉を伸ばす事をストレッチと言いますが、ストレッチには大きく分けて二種類のやり方があります。主に運動前に行うダイナミックストレッチ(動的)と運動後に行うスタティックストレッチ(静的)です。


ダイナミックストレッチとは

動きをともなうストレッチを行うことで筋肉を温め、怪我の予防や試合などにおけるパフォーマンスを向上させる事を目的としたストレッチです。スキップしながら身体をリズミカルに動かしながら足を上げたり、腕をぐるぐる回したりを一つの動きに対して10~15回を1~2セット程行います。

 

筋肉が冷えた状態で運動を始めようとすると、柔軟性が少ないので肉離れなどの危険があります。そのため軽い動きを含めたストレッチを行うことで血流の増加とともに筋肉に柔軟性が出てきます。

何故、スタティックストレッチではいけないかというと、筋肉は縮むことで力を発揮しますが、スタテッィクストレッチの場合筋肉が緩みすぎてしまい縮む力が弱くなり十分なパフォーマンスが望めなくなるからです。

スポーツを行う前日にマッサージをしてコンディションを整える方もいると思いますが、強めのマッサージの後はいつものように身体が使えなかった、という話も聞きます。ある程度はウォーミングアップなどをしっかりやることで回避することが出来ますが、試合前などのマッサージは加減してほぐし過ぎないのが大事なので治療前にその旨を伝えた方が良いでしょう。

※ダイナミックストレッチに慣れてない人は、はじめは大きくゆっくり動かす。

※痛めている部位や緊張している部位、また冬場などはいきなり最大可動域ではなく徐々に可動域を広げるようにする。

※運動前に疲れてはいけないのでやり過ぎなように気を付ける。

 


スタティックストレッチとは

呼吸をしながらゆっくりと筋肉を伸ばすことによって、筋肉の短縮や硬化を防ぎ、血液循環を促進する事を目的としたストレッチです。一回のストレッチに20~30秒程時間をかけて行います。

ストレッチといえばこちらの方法をやられる方が多いのではないでしょうか?その為、運動前にもこのストレッチをやられる方がいると思いますが、上で述べたようにスタティックストレッチを運動前に行うと筋肉が緩みすぎてしまい、いつも通りに筋肉が働かなくなります。なので、スタティックストレッチは運動後のクールダウンとして行います。

疲労物質の排出を促したり、筋肉を伸ばす事で得られる気持ちがいい刺激はリラックス効果もあるので運動前以外で取り組むにはとても効果のあるストレッチです。

※反動をつけずにゆっくりと伸ばす。

※ダイナミックストレッチと同じく、身体の緊張が強い場合などはいきなり最大可動域ではなく徐々に可動域を増やす方法をとる。

※痛みが出るまで伸ばさない。


ダイナミックストレッチは筋肉を活性化させるので運動前に、スタティックストレッチは身体をリラックスさせる効果があるので運動後や就寝前に行うのが良いでしょう。

また、スポーツをされる方はストレッチだけでなく、ジョキングや各スポーツで使われる専門的なウォームアップ、アイシングによるクールダウンなどとあわせて行うことをお勧めします。